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松田 保 (びわこスポーツ科学研究会) |
U17代表監督だったときから私は「中学、高校時代に海外の同世代と戦うべきだ」という考えを持っています。95年春の南米遠征ではエクアドルとブラジルを回り7試合を戦いました。
中でもU17ブラジル代表とのゲームでは、「誰にも負けない」と自信をもっていた日本のサッカー少年たちに強烈な印象を残しました。1−2で負けましたが、選手たちは相手の柔軟体操やドリブル、ボールハンドリングの練習を食い入るようにじっと見ていました。
世界にはとてつもない奴がいるということを、ある段階で知ることは重要です。それも俺には全然できない、と完全にお手上げになる段階ではなく、もう一歩伸びたいという時にです。 |
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平山 秀行 (秦野FC代表) |
「サッカーの楽しさ素晴らしさをより多くの少年に!」を活動目標とした池田市秦野サッカー少年団(秦野FC)の代表として子どもたちを指導しています。
Jリーグ人気など近年のスポーツの隆盛は目を見張るものがあります。しかし今、様々な問題や課題が指摘されています。勝つための過酷な練習で大きな大会を最後に燃え尽きてしまう“燃え尽き症候群”、やり過ぎによって起こるスポーツ傷害の典型“過度使用症候群”などの社会現象は、今までのスポーツのあり方に対する重大な警告といえます。
これまでのほとんどが、学校体育のみに頼らざるを得なかった中学・高校のスポーツ事情、また経済状況の悪化を背景とした企業スポーツの縮小や撤退は、これまでのあり方の限界を如実に示しています。
学校体育の果たす役割は依然として大きなものがありますが、学習指導要領の改正によるクラブ活動の分離など、学校教育のあり方も大きく変わろうとしています。青少年活動の受け皿として、今こそ地域スポーツを実践し、広く発展させていく時期を迎えていると思います。そのためには熱意あるボランティア指導者が欠かせません。 |
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坂本 康博 (大阪体育大学サッカー部監督) |
ボールを使って楽しく遊ぶ。ボールを使ってちょっとかっこいいことをやってみる。そして、ボールを使って身体能力を高める。子ども達が楽しく遊びながら自然にサッカーの技術要素を身につけていくということを指導者は取り入れてほしい。
全ての子ども達が、サッカー選手としてエリートコースを歩むわけにはいきません。しかし、サッカーの楽しさは全ての子ども達が味わうことができます。
楽しくなくてはサッカーではありません。楽しさの中に目標を見つけて努力します。そして、それぞれの目標を達成するために苦しい練習も乗り越えていこうとするものです。しかしスタートは楽しさです。Jリーガーという目標・夢もできました。サッカーの楽しさを、最初に与えるのは指導者、あなたです。 |
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坂本 康博 (大阪体育大学サッカー部監督) |
遊びとは、本来自由で楽しい行為です。ボール等、種々の道具を用いて仲間と一緒に遊ぶところに約束事(ルール)が発生します。安全で平等で面白く、そして、勝敗を決めるためにルールが存在します。子ども達が作り出したルールは尊重してあげましょう。コーチはその手助けとなってあげましょう。
しかし、より安全で平等で面白くするためのルールの変更、より練習目的を明確にするためのルールの作成、これらもコーチの役割です。 |
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坂本 康博 (大阪体育大学サッカー部監督) |
日本サッカーの現状は幾多の問題を抱えている。とりわけ、将来の貴重な財産である子ども達の育成については十分な配慮が必要である。これまで、指導者については、ややもすると大人の経験だけをベースに、情熱的指導者の奉仕に頼り支えられてきた面は否定できない。
従来の経験もさることながら、さらに、科学的根拠に基づいたコーチングの必要性は言うまでもない。子ども達の成長に応じた、発育・発達の過程を十分に把握し検討したうえでのコーチングが求められている。また、子ども達の心理状態、行動をも考慮したコーチングの重要性を知るべきである。
子ども達はなぜサッカーをしたいのか。それは、好きだから・楽しいから・かっこいいからサッカーをするのである。好きで楽しんでいるサッカーを嫌いにさせてはいけない。 |
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松田 保 (びわこスポーツ科学研究会) |
将来の日本のサッカーやプレーヤーに求められるものは何か。それは、技術・戦術的な「基本」であり、その質的な向上と言える。相手からのプレッシャーなど自分のプレーに対して制限を受けた局面で、ボールを止める・蹴るといった基本的な技術を、「判断」を伴わせて正確にかつ速く発揮し、ゴールを奪うことができるかが求められる。これはそのまま「たくましい個」「自立した個」につながる。そして、それらはすべて人間としての「基本」があってこそだ。
世界を相手にした場合、このような基本的要素がどれだけ身についている(習慣化・自動化が図られているか)か、その「質」が問われ、その差がゲームの結果となって跳ね返ってくる。サッカーは絶え間なく前進し続け、トッププレーヤーへの要求はさらに高まり、絶えず形を変え続けている。
若年層育成のコンセプトは、長期的視野に立って将来のトッププレーヤーを育成していくという目標に向けられたものとなる。また、ゲームのレベルが高くなるほど、「質」の高さ、「基本の大切さ」が大きくゲームの結果に影響してくるわけだ。同時に、ジーコのいう「人間の良識」が改めてクローズアップされるわけだ。 (松田保著「一流選手を育てるとはどういうことか」より) |
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平山 秀行 (秦野FC代表) |
私たち池田市秦野サッカー少年団(秦野FC)のホームグラウンドでもある猪名川グラウンドが、昨年10月の台風直撃で壊滅状態になりました。それが半月ほど前にみごとに復旧し、サッカーやスポーツを楽しむ子ども達の元気な姿が戻ってきました。
12、13日にはコパ秦野4年生・5年生大会を開催することができました。早期復旧を果たしていただいた市長さんと市当局に心から感謝を申し上げたいと思います。
河川敷が水没したときは各方面の方々からお見舞いと励ましの電話や手紙、Eメールをたくさんいただきました。グラウンドが使用不能になってからは、守口FCさんや大和田SSCさんはじめ多くのチームからお誘いいただき、暖かいご接待やお気遣いにコーチたちはいつも心熱くして帰ってきたものでした。
秦野FCの指導方針のひとつに「少年期に多くの友達づくり」があります。今回、たくさんのチームに支えられて、子どもたちも「友達や仲間の大切さ」を実際の体験の中から学んだと思います。サッカーというスポーツそのものから学び、多くの方々との交流を通じても学ぶ。少年サッカーの魅力のひとつだろうと思います。 |
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森 栄 (スカイフットサルパーク 代表) |
徳島市で「スカイフットサルパーク」の経営をしています。子供を中心に考えた体育・保育・野外活動を行っています。
幼児・少年期、子供たちは心身ともに大きく成長する時期です。また、この時期の子供たちはどのようなことに対しても、出来る可能性を身体いっぱいにひめています。スカイでは全てのクラスを子供たちの「遊び場」として考えています。
強制されるのではなく、自ら楽しさを求めて参加できる、そのような雰囲気のもとプログラムを進めています。一人一人の個性を大切にしながら、子供たちの成長のバックアップ(手助け)ができればと考えております。 |
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加藤 朋之 (山梨大学 教育人間科学部 准教授) |
山梨のキッズプログラムにかかわらせていただくようになって、私の中に嫉妬心が芽生えるようになりました。私たちの愛するサッカーキッズたちの一番は、お母さんです(お父さんの場合も!)。二番は、幼稚園、保育園の保育士さん、「先生」です。三番はサッカーボール、四番目にやっと我々、指導者です。山梨のキッズプログラムは3年目を迎えますが、やっぱりこの順位はかわりません。
サッカーをこよなく愛する我々は、指導者やチームメイトが二番(サッカーボールが一番)と教えられてきました。翼くんも「ボールは友だち、ねっ、ロベルト!」といっています。私の嫉妬心はここから来ているようです。
しかし目の前のキッズたちの輝きを見ていると、この順位を変えようとする努力よりも大切なことがあるような気がします。キッズたちがボール遊びを思いっきり楽しめる環境を創ること、そんな思いが私の嫉妬心を昇華してくれます。
キッズたちがボール遊びを楽しめる環境創りも、お母さん・お父さんの理解、保育士さんの協力、サッカー(ボール)の存在、サッカー指導者のリードの順で必要な気がします。実はお父さん、お母さん、小学校の校長先生などの優しさが翼くんの「サッカーってとっても楽しいよ!」を支えているのです。 |
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